E46のファンベルトガイドローラー(プーリー)の修理についてご紹介します。
ファンベルトガイドローラー(プーリー)が破損し、ファンベルトも切れてしまったE46が入庫しました。
ファンベルトが切れるとパワステが効かなくなるためハンドルが重くなります。
ファンが回らないことでエンジンが冷やされず、オーバーヒートしてしまう可能性がありますので、同様の故障に遭遇しましたら車は安全な場所に停止してエンジンを切って動かさないようにしましょう。
走行中にファンベルトが切れたことが分かるか?という疑問が沸くかもしれません。
ファンベルトが切れれば走行中であってもそれなりの音がするので分かると思いますが、ハンドルが急に重くなる症状と水温の上昇を見ればファンベルトが切れた可能性を疑うことができると思います。
下の写真が修理のために取り外したガイドローラー(プーリー)です。
左側のガイドローラー(プーリー)がアンダーカバーの上に落ちていました。
こんな部品が落ちてたので、壊れた瞬間は結構大きな音がしたものと思います。
下の写真で新品と比較すると何処が壊れたのか分かりやすいと思います。
上が壊れたガイドローラー(プーリー)で、下が新品のガイドローラーとベルトテンショナーです。
当然、切れてしまったファンベルトも新品に交換して修理完了です。
幸いにも、今回は破損したガイドローラー(プーリー)の破片(ベアリングの玉など)による二次被害はありませんでした。
このガイドローラー(プーリー)破損には前兆とも言うべき初期症状があります。
冬場など気温が低い状況でエンジンを始動した際、”キュルキュル”とエンジンルームから虫の鳴き声のような異音がするようになります。
※.湿度が高く蒸し蒸しした夏場の夜でも鳴きだすこともあります。
この異音はエンジンが温まると一旦は静まりますが、突如思い出したかのごとく鳴き始め、だんだんと酷くなって温度に関係なく鳴きっ放しの状態になり、最終的には破損しファンベルトが切れてしまいます。
ガイドローラー(プーリー)は中には回転摩擦を軽減するためのベアリングが仕込まれており、ベアリング内のグリスが経年劣化とともに劣化し抜け落ちることで、摩擦抵抗が増すため”キュルキュル”と泣きはじめます。
摩擦抵抗を軽減するためのベアリングが機能しなくなれば、高速で回転するガイドローラー(プーリー)には当然のごとく負荷がかかり破損に至ってしまうわけですね。
それならグリスを足せばいいと考えるかもしれません。
確かに”キュルキュル”音だけならグリスを足すことで一時はしのげますが、もう一度よく考えてみてください。
高速回転するガイドローラー(プーリー)のベアリング部にグリスを外から塗ったらどうなるでしょうか?
そうです、廻りに飛散しちゃうんです。
ベアリング内のグリスは、飛散しないようベアリング内部に入っているので、そもそも外から塗るという行為そのものはほとんど効果がありませんのでやめましょう。
ですので、ガイドローラー(プーリー)は消耗部品ととらえ、異音が出始めたらできるだけ早く交換することが予防策として重要です。
この症状は異音として明確な指標があるため、早期発見・早期対処が可能な故障となります。
走行中でも気にしていれば何となく変な音が聞こえると思いますが、エンジン始動直後、停車中のアイドリング時にははっきりと聞こえると思いますので、ご自分のBMWが鳴いてないか?意識して聞いてみてください。
そして、異音に気づいたら早めに点検してもらうことをお勧めします。
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